2013年に観た新作映画ランキングTop20

2013年に見た新作映画を順位付けしてみました。未公開映画と2013年になってから京阪でかかった12年作も含んでいます。20位までと次点が5つ。以降もなんとなくのおもしろかった順で。全部で95本でした。100いかなかったのが残念!今年は昨年『パラノーマン』…

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』  「良いゾンビも悪いゾンビもどちらも殺せ」と、あなたは掲げた

3月30日、土曜日、二条にて。ストップ・モーションで撮られたアニメーション映画。幽霊の見える少年ノーマンは、家庭では疎まれ学校では変人扱いされ、趣味はゾンビ映画を見ることという孤独な子ども生活を送っていた。彼の暮らすブライス・ホローの街は、魔…

『シュガー・ラッシュ』ウィズ・ア・リトル・ラブ・フロム・マイ・フレンド

3月24日、日曜日、大阪駅にて。満員でした。賑わう劇場でたくさんの子供達と観れたことがとてもよかったです。僕の隣には小学校3,4年くらいの男の子2人組が座ってたんですが、子供ってとにかく反応がヴィヴィッドなんですね。いちいちキャラクターにつっこん…

『オズ はじまりの戦い』 ひとりと、いっぴきと、いったいの、まじょたいじ珍道中

3月23日、土曜日、二条にて。ドサ回りの手品師オズが嵐に巻き込まれ、見たこともない世界にたどり着く。そこで予言に書かれた魔法使いと勘違いされた彼は、悪い魔女を倒すことになってしまうが・・・というはなし。予言に書かれていたとはいえ、最初にオズと…

『クラウド アトラス』決して消えない光がある

3月20日、水曜日、河原町、朝9時30分の回で。3時間弱という長尺、さらに6つの時代の異なる物語を同時進行させるという意欲的な構成から、朝一で見るにはヘヴィかなと不安でしたが、それは杞憂でした。あ、もう終わりかと感じたくらい。6つの物語それぞれが手…

『横道世之介』 君は世界で一番美しい顔をしている

3月5日、火曜日、八条にて。今はもういない、かつてわたしの傍らにいた人。なぜかわからないけれど、今日その人のことを思い出した。この映画で、登場人物の心に浮かんだのその人は、1987年に東京の大学生だった横道世之介でした。いつも一緒に下校した友人…

『ジャンゴ』 あるいは19世紀アメリカ南部におけるおとなのけんか

3月1日、金曜日、二条にて。初日でした。タランティーノの新作公開ということで、顔を紅潮させた青年たちが劇場へと集っておりました。それにしても、作品一覧を見るにつけ、おもしろくない映画が一つもないってなんたるフィルモグラフィー!デビュー作の『…

『フライト』 アルコールと嘘と飛行機事故

3月1日、金曜日、河原町にて。初日でした。通常なら間違いなく墜落していた飛行機を奇跡的に着陸させた機長のデンゼル・ワシントン。だが、事故後の血液検査で彼の体からアルコールとドラッグが検出される。なんと機長はアル中でジャンキーだったのだ!デン…

『奪命金』 一つの怪物が香港を徘徊している――金融危機の怪物が

2月25日、月曜日、心斎橋にて。日本での全国上映としては『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』ぶりとなる、ジョニー・トー監督の新作。2011年の東京フィルメックスで上映された際には、高い評価を受けていたのでとても楽しみにしていました。黒社会に生きる男た…

『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』 ダメ。ゼッタイ。と言われてきたのだから

2月27日、水曜日、二条にて。高校時代の仲良しグループで一番いけてなかったふとっちょがなんとイケメンからプロポーズ!?結婚式に出席するため久しぶりにグループは集まるが、はめをはずしすぎてウェディング・ドレスが破れてしまう!ヤバい!結婚式までは…

『ゼロ・ダーク・サーティ』 推定5070000分

2月25日、月曜日、河原町にて。911テロから2001年のビンラディン殺害まで、アメリカによる対アルカイダ戦の10年間を、1人のCIA女性捜査官を通して描く。劇中で流れる時間は、探し、訊ね、騙され、そしてひたすら待った10年である。157分という長尺なランタイ…

『世界にひとつのプレイブック』 ロマンスの神様、この人でしょうか

2月23日、土曜日、二条にて。素晴らしかったです!登場人物たちが話し、走り、ダンスする。スクリーンへと写し出される、それら動きのすべてが、笑みがこぼれるほどに眩く、泣いてしまいそうなほどに美しかった。鑑賞中は映画を観ていることの喜びを噛みしめ…

『ジャッジ・ドレッド』へー、銃で撃たれたときの人の身体ってこんな風になるんだー

2月21日、木曜日、八条にて。イギリスのコミックを映画化。3Dで鑑賞しました。すごくおもしろかったです!核戦争後の未来、8億人の暮らす荒廃した都市=メガシティ、秩序と市民を守るのは陪審員と判事と執行人を兼ねた組織のジャッジ、という状況説明をオー…

『ロンドン・ゾンビ紀行』方言 vs ゾンビ

2月21日、木曜日、東寺にて。ロンドンでゾンビが発生し老人ホームのおじいちゃんやおばあちゃん、さらにその孫たちがゾンビ撃退にがんばるという大変そそられる話。ロンドンでゾンビというと『28日後』や『ショーン・オブ・ザ・デッド』が思い出されますが、…

ムーンライズ・キングダム』おっきな音楽を鳴らすには

2月14日、木曜日、二条にて。ウェス・アンダーソン監督の最新作ということで、とても楽しみでした。世界からつまはじきにされていると感じる少年と少女が駆け落ちし、まわりの大人や子供を巻き込んでの騒動が起きる。そして、彼らの暮らす島には嵐が近づいて…

『DOCUMENTARY of AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?』 その「後に」君が「見る」もの

2月12日、火曜日、天神にて。アイドルグループAKB48のドキュメンタリー映画です。50席程の小さめのスクリーンでしたが平日のお昼の時間帯で満席。お客さんもソロ男性から男女カップル、女子高校生くらいと思しきグループなど幅広く、文字通りの国民的グルー…

『脳男』生田△

2月12日、火曜日、天神にて。連続爆破テロ事件の容疑者として捕まえられた1人の男、鈴木一郎。警察と精神科医は取り調べを続けていくうちに、彼が並外れた知能と身体能力を持ちながらも、一切の感情がない人間=脳男だと気づく。一方真犯人もこの脳男にただ…

『アウトロー』僕らがトムを愛す理由

2月11日、月曜日。天神にて。トム・クルーズが主演。ピッツバーグ近郊で5人が殺害される無差別乱射事件が発生。容疑者として一人の男性が逮捕されるが、男はだんまりを決め込んだまま。唯一男が記したメモにはこう書かれてあった。「ジャック・リーチャーを…

『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 』語れ、そして治癒されよ

2月3日、日曜日、箕面にて。初のIMAX3D鑑賞でした。視線でとらえきれない大画面で、果てしない奥行きとのぞけるほどの飛び出しを堪能しました。すごかったです。京都にもIMAXできたらいいのにな。海難事故により太平洋をベンガルトラと漂流することになった…

『フラッシュバックメモリーズ 3D』ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね

1月27日、日曜日、八条にて。ものすごくよかったです。3D映像、演奏される音楽、日記に綴られた文章、たまたま残っていた過去の記録。全てが、一人の男の記憶と再起をめぐる物語へと集約されていく。ディジュリドゥ奏者として人気を博すGOMAの半生を描く。GO…

『ソハの地下水道』わがままで複雑、だからとてつもなくチャーミング!

1月22日、火曜日、烏丸にて。第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を描いたポーランド映画でした。悪名の高いアウシュビッツ収容所はポーランドにあったことが知られてるように、40年代前半のかの国はホロコーストの凄惨な嵐が吹き荒れていた…

『テッド』男そのボンクラな生き物を愛するということ

1月21日、月曜日、二条にて。ほんとは前々日の土曜日に行くはずたったのですが、夜の最終回がまさかの満席!惜しくも日を改めたのでした。この日も平日ながら相当混んでましたよ。映画マニア、ましてやアメリカン・コメディの熱心なファンというわけではなく…

『トールマン』 善き行いをめぐる問いかけ

1月18日、金曜日、七藝にて。予想のつかない展開に心からびっくりしました。まさか、こんな映画になるとは・・・。予告編を見ただけでは誰も想像さえできないのではないでしょうか。え!え!えー!!とにかく、とても驚いたのでした。炭鉱が閉鎖され消滅を待つ…

『LOOPER ルーパー』ループをとじるのは誰だ?

1月12日、土曜日、二条にて。おもしろかったです。現在の選択が未来に及ぼす影響について思索をうながす作品でした。2074年の未来ではタイムマシンが発明され、犯罪組織は30年前にあたる2044年に消したい相手を送っては、ルーパーと呼ばれる殺し屋に手をくだ…

『ザ・ウーマン』VS マンズ・マンズ・マンズ・ワールド

1月6日、日曜日、七藝にて。最高でした。男性原理と言うべき、世界からの強権的な抑圧に対し、まっとうな憎悪をもって迷いなく鉄槌を下すザ・ウーマンの姿に震えるような感動を覚えた。ハンティングが趣味の父親が、ある日しとめてきたのは、なんと食人族と…

『サイド・バイ・サイド』 監督も撮影も編集もお客さんもみんな違ってみんなイイネ!

1月6日、日曜日、シネ・リーブル梅田にて。フィルムからデジタルカメラと、映画撮影の主流が移りゆく中で、キアヌ・リーヴスがデヴィッド・フィンチャー、ロバート・ロドリゲス、クリストファー・ノーランなど多くのフィルムメイカーや撮影スタッフに、デジ…

感想『ドラゴン・タトゥーの女』

TOHOシネマズ二条にて。初日の最終回で観ましたが、一番大きなスクリーンで嬉しかったです。お客さんもかなり混み合ってました。劇場全体から今ホットな現象に加担しているという盛り上がりを感じましたね。ちなみに、原作は未読。スウェーデン版の映画も未…

感想『ミラノ、愛に生きる』

京都シネマにて。僕が観に行った日は日曜日だったせいか朝一の回でも満員。女性の方が多かったですね。年齢層は比較的高かったです。物語の主軸となるのは、イタリア・ミラノに大邸宅を構える起業家一族。長男の奥さんとしてロシアから嫁ぎ、すでに成人とな…

感想『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』

TOHOシネマズ二条にて。英国のスパイ、ジョニー・イングリッシュは、警護にあたっていた要人を暗殺されたことから、チベットの僧院で心身の修行をしていた。そんな彼に新たなミッションが舞い込み、8年ぶりにロンドンに渡る…というあらすじ。そんなに期待も…

感想『サラの鍵』

京都シネマにて。1942年7月、フランス・パリ、ユダヤ人一斉検挙の日、少女は幼い弟を納戸に隠し鍵をかける…というのが話の起点。ユダヤ人迫害にフランス政府も市民も加担していたという黒い歴史を、フランス映画自ら描いた勇気ある作品です。自分は不勉強に…