『DOCUMENTARY of AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?』 その「後に」君が「見る」もの

2月12日、火曜日、天神にて。アイドルグループAKB48ドキュメンタリー映画です。50席程の小さめのスクリーンでしたが平日のお昼の時間帯で満席。お客さんもソロ男性から男女カップル、女子高校生くらいと思しきグループなど幅広く、文字通りの国民的グループなのだなと感心した。

アイドルというもののヒリヒリとした重圧やその軋みにおいて放たれる鮮烈な瞬きを劇的に捉えた前作に対して、今回の映画でもっとも印象に残るのは、その壮絶な舞台から降りた元アイドルと呼ばれる少女たちのその後の姿である。一期生でありながらスキャンダルが発覚したことでAKBを辞退した女性は、今作で秋葉原を歩きながらにこやかに「今の学校に行く生活」を話す。前田敦子に憧れ加入し、在籍時にはポストあっちゃんとさえ噂された少女は、結果的にファンに戻ることを選択し、今なお彼女の勉強部屋はAKBのグッズで彩られている。

彼女たちのいずれもが晴れやかな顔をしているのがとてもよかったです。なにより現在進行形で動いているアイドルを中心に据えた映画でありながら、「涙の後」にそれぞれの「少女たち」が「見る」ことを決めた景色を、作り手が等しく尊重していることにぐっときました。自分も他者が選択した生き方にたいして、つねに敬意を忘れないようにしたいと思った。