『ロンドン・ゾンビ紀行』方言 vs ゾンビ

2月21日、木曜日、東寺にて。ロンドンでゾンビが発生し老人ホームのおじいちゃんやおばあちゃん、さらにその孫たちがゾンビ撃退にがんばるという大変そそられる話。ロンドンでゾンビというと『28日後』や『ショーン・オブ・ザ・デッド』が思い出されますが、今回の映画は後者からの影響下にあると思しきコメディ・タッチの作品でした。ゾンビが最初に人を襲うところの「うしろうしろー!」感、赤ちゃんゾンビを豪快にあしらうところ、歩行器でヨボヨボと歩く老人とゾンビによる史上最遅のチェイスなど、声をあげて笑ってしまったところも多かったです。そうそう、今作のゾンビは歩く系でしたよ。

もとの英題は『Cockneys vs Zombies』となっているように、登場人物の多くが東ロンドン訛りです。この方言をスラングコックニーと言います。ブラーの"Park Life"という曲でのフィル・ダニエルスのパートなどが有名ですが、今作の主人公兄弟2人の喋り方はまさにあんな感じでしたね。コックニーの早口気味でアクセントの効いたリズムは、深く考えるよりもまず行動をしてしまう彼らのキャラクターともマッチしていて、作品を勢いづけるとともに映画としてのイキの良さを印象づけていたと思います。欲を言えば、イギリスならではのゾンビ退治方法にもうひとつアイデアがあったらといったところでしょうか。今回いともたやすく銃を持ってしまうんですよね。